ザ・キング・オブ・深夜バス
忘れないうちにキング・オブ・深夜バスことはかた号について書いておきます。
水曜どうでしょうでその称号が一躍有名になったはかた号ですが、今は国内最長の座を同じ西鉄バスが(西武観光バスと共同)運行するライオンズ・エキスプレス(大宮~博多)に譲りました。
大宮~博多ならばそっちに乗りゃ良かったんじゃね?そう思われる方も多かろうと思いますが、ライオンズ・エキスプレスはなんと4列シートで、いくら夜行バスとの相性が良いワタシでも五十路の身体にはいささかキツイです。
それに4列シートでは昼行の高速バスと同じですしね。ボディカラーが専用塗色といえど、キング・オブ・深夜バスとは到底呼べません。
まあそういったスペック上の話はネタでしかありませんが、実際にはかた号に乗車してみてワタシが『ああさすがはキング・オブ・深夜バスだ』と心から納得したことがひとつあります。
写真では立派に見える三菱ふそうエアロキングですが、実際は2008(か9)年式で結構経年劣化が目立ちます。帰りは一番後ろの席だったのですが、エンジンのターボ過給音が結構車室まで届いてきて、ワタシみたいな物好きじゃなければただうるさいだけという感想を持つと思います。基本設計が30年前の登場以来殆ど変わっていないモデルだそうなので乗り心地もそれなりで、これまた基本設計の古い高速道路のうねりの多い路面では結構ボディ全体が揺すられます。
それに、途中の休憩もわずか2ヶ所のサービスエリアで15分ずつあるだけ。アメニティグッズも特に目新しいものはなく、サービス面でも秀逸というほどではありません。
では、そんなはかた号のどこがキングの称号にふさわしいと感じたのか。
それはドライバーの技術です。
発進、停止、加速、減速、右左折、車線変更、あらゆる挙動が驚くほどスムーズなのです。まったく前後左右のGを感じさせないのですよ。往きも一番前の席だったので、慣性の法則により通常よりはGを感じやすいと(たぶん)思われるホイールベースの外側にずっと乗っていたにもかかわらず、バスの挙動によって身体が揺すられることは皆無でした。
長距離バスの常として高速道路では結構ハイペースで走るのですが、加減速や車線変更も実にスムーズで、まるで空いた道路を走っているようでした。あのトラックの海のような深夜の高速をスムーズに走るのがどれだけ難しいことか、あそこを自分で実際に運転をしたことのある人ならわかっていただけると思います。
さすが日本一のバス会社たる西鉄の、それもフラッグシップを操るドライバーだと思いました。こういうのを真のプロフェッショナルと呼ぶんでしょうねぇ。
なお、実は12月中旬からはかた号には新型車両が導入されます。パーティションで区切られたほぼ個室の席が備わるなど豪華さも相当増すそうですから、これでハード面でもキングの称号に恥じないものになります。西鉄もはかた号を真のキングとして育てていく気マンマンのようですよ。
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コメント
飛行機で行った自分は、何故か負けた気がきました。(^^;;
投稿: kabasann | 2014/12/03 22:12
いやほんとに、最新型のバスも大事ですし、新しい道路もも大事ですが、運転手さんの熟練した技術のほうがもっと大事ですよね。
かなり無理目に飛ばして、路面からの激しい突き上げをくらって全身を揺さぶられて眠れず、揚句に予定時刻よりも30分以上も早くついて、暖房のないJRの待合室で始発列車を待って震える経験をすると、そう思います。
(注:あくまでも個人の感想です。深夜バス乗車の感想には個人差があります。)
投稿: sat | 2014/12/03 23:37