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2012/07/29

サッカーの神様の無慈悲

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先の7月21日(土)、小山運動公園陸上競技場へJFL第21節栃木ウーヴァFC対SAGAWA SHIGA FCの試合を見に行ってきました。

以下そのレポートです。

 
栃木ウーヴァ(UVA、以下ウーヴァ)FCの『栃木』は栃木県というより栃木市を意味しているんでしょう。

もともとは栃木市にある日立の事業所のサッカー部として創設されており、クラブの事務所も栃木市にあります。当然のようにホームゲームのほとんどは栃木市総合運動公園陸上競技場で開催されています。

しかし、それ以外にも足利総合運動公園陸上競技場と小山運動公園陸上競技場で開催されるホームゲームもあります。今季小山での開催は2回あり、4月29日のHONDA FCと今回7月21日のSAGAWA SHIGA FC(以下SAGAWA)。

どうも門番のご接待用スタジアムらしい。

ということで、いつものようにマッハロッド号を駆って新4号をひた走り(熊谷から小山へは高速では行きづらいのであった)、小山へと出かけたのでした。
 

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接待用のスタジアムと言うからには(ワタシが勝手に言っただけ)さぞや立派な場所かと思いきや、メインに小さいスタンドがある以外は一周の芝生席と、ごくごく普通の地方都市の陸上競技場でした。メインスタンドにしてもまったく屋根がないし、観客用トイレがスタンド内にはなく外の公園の公衆のを使うというもので、1000円の入場料を取られるには少し残念な感じでした。思えば涼しくて雨も止んでたのが幸いでしたね。日陰になる場所がまったくないわけですから。
 

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しかし、そんな印象も選手が出てきてピッチアップを始めたら少し変わってきました。ワタシはメインスタンドの一番上の段のベンチに座ったのですが、ピッチが近くてスタンドが低くほどよい高さから全体が見渡せ、とても見やすいことに気づいたからです。前に座っているSAGAWAの選手のご家族らしき人たちもさかんに『見やすいよね』とおっしゃっていました。

 

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SAGAWAのスタメンには山根伸泉の名前がありました。

彼は坪井、平川、堀之内らと同期で彼らと同様に大卒でレッズに加入したものの、何故か彼だけがわずか1年で契約満了になりました。しかしその後佐川急便東京SCに加入以来、東京と大阪の統合というチームの再編の中でもずっとその中盤に君臨し続け、今や背番号10を背負ってミスターSAGAWA SHIGAとまで呼ばれています。昨季のJFL優勝時にはMVPも獲得したそうです。

山根すげーじゃん。
 

そのほかSAGAWAのスタメンには、昨季までFC岐阜で主力としてプレイしていたサイドアタッカー嶋田正吾の名前もありました。その独特なリズムのドリブルを見られるかと思うとついワクワクしてしまいます。

その独特な高い声のインタビューも聞きたいところですが、それはたぶん無理でしょう。
 

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実は今季のJFLもJ1やJ2と同様に、今のところ大変な混戦になっています。

Jリーグへの参入を目指すいくつかのチームがしのぎを削り、HONDA FC、SAGAWAの門番勢もここまであまり上位をキープすることができていません。SAGAWAはこのゲームまで5位。昨季優勝ということを考えると不本意なポジションと言っていいと思います。

片やウーヴァはここまで勝ち点9の最下位に沈んでいます。普通に考えれば、実績充分の強豪SAGAWAが順当に勝って上に行く足掛りにできるかというところでしょうか。
 

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しかしそう簡単に行かないのがサッカーの面白いところ。

ポゼッションこそSAGAWAが上回りウーヴァを押し込むものの、12分にウーヴァがCKから先制してからは完全にウーヴァのペース。とりわけ大宮や栃木SCに在籍していた188cmの長身FW若林がほとんど競り負けず、ポストやヘッドでの散らしがびっくりするほど効きまくっています。

そして34分、SAGAWAのセットプレイから蹴りだされたボールをその若林が前線で受け、そこへ走りこんだ選手につないであっという間にゴール前へ。実に鮮やかなカウンターが決まりウーヴァが追加点。
 

SAGAWAは高さがないみたいだなぁ、何となくそう思って後で調べてみたら、この日のSAGAWAのディフェンスラインはCBの富山の180cmが最高でした。というか、名鑑で見る限りそもそもSAGAWAのDF登録には180cmを超える選手がいないみたいですね。

高さに弱点が見えるのは攻撃の方でも同じで、再三ゴール前まで進出しサイドからクロスを上げるものの、中央で187cmのウーヴァのCB栗原にことごとく跳ね返されます。

結局SAGAWAは打開の糸口を掴めないまま前半終了。ウーヴァは2点目以降もカウンターで何度か決定機を作ったのですが、シュートミスやGKのセーブでダメを押すことができませんでした。しかしまさかそれが致命傷になるとはハーフタイムの段階で誰が想像できたでしょうか。
 

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後半が始まってもSAGAWAのポゼッション優位は変わらないものの、ウーヴァは、ワタシ的にはもうおなじみになった前田和也を中心とする粘り強い守備で応戦しゴールを割らせません。そんな膠着状態のまま過ぎた後半32分少し状況が変わります。

SAGAWAのMF奈良輪がペナの左外側から打ったミドルが鋭い弾道でウーヴァのゴールを突き刺したのです。スーパーゴールと言っていいかもしれません。

ワタシにはこのゴール以降ウーヴァの選手たちの気持ちがかなり守りにシフトしたように感じました。時間帯的にウーヴァの選手の疲労が溜まっていたこともあるでしょう。しかし、あと15分何とか守りきろう、そう思ったときって得てして守りきれないんですよね。
 

素人目にもそう感じたわけですから、当事者が当然それを見逃すはずはなく、SAGAWAは2枚替えで前を厚くし勝負をかけてきました。身長163cm元大宮の大沢朋也に変えて187cmの元セレッソ他の御給匠投入です。

山根もここでFW鳥養と交代。正直あまり見せ場は作れなかったですが、ベテランといわれる年齢になっても、中盤の底という運動量を必要とされるポジションで主力の座を譲っていないのは素直にすごいと思います。

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攻撃面で高さが加わったSAGAWAに対し、ウーヴァは焦りを感じたのでしょうかそれとも疲労のせいでしょうか、あれだけ効いていた若林にボールがおさまらなくなってきました。そうなるとSAGAWAが一方的に攻める展開になるのは自明の理。

ウーヴァがどこまで持ちこたえられるかが勝負のカギになるだろう、そう思いながら迎えた後半44分、ゴール前でいくつかつながったパスをペナ左側で受けた選手が左脚を一閃、ボールはグラウンダーでゴール右隅へ吸い込まれていきました。土壇場で同点ゴールを決め拳を突き上げて喜ぶ姿は背番号14。

嶋田だ!

岐阜の試合で何度か見た嶋田のゴールをここでまた見れるとは。
 

うわーまた終了間際かよ、でもこれで終わりだよね、ロスタイムに逆転とかさすがにそう何度もないよなぁ、そう思ったワタシを、またもやサッカーの神様は驚かせてくれたのでした。

ロスタイム表示は3分。ここで冷静にゲームを終わらせて最下位にとっては貴重な勝ち点1を確実に獲る、ウーヴァに残された選択肢はそれしかないように思えたのですが、土壇場で追いつかれたウーヴァの選手たちのショックはワタシが想像した以上だったようです。
 

なんとここまでゴール前でクロスを跳ね返し続けてきた栗原が遅延行為により2枚目のイエローで退場。これでさらに混乱を増したウーヴァのディフェンス陣に、ペナ内でのSAGAWAのパス回しについていく余力はありませんでした。決勝ゴールがウーヴァのゴールネットを揺らしたのは後半45分+2分。ゴールを決めたのは山根と交代した鳥養でした。

またもロスタイムの逆転劇を目の当たりにしてしまったのです。

終了の笛が高らかに響くと同時にピッチに崩れ落ちるウーヴァの選手たち。これはきつい・・・。
 

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正直に言います。

2-0で迎えたハーフタイムに『今回もロスタイムで逆転あったりして さすがにねーよ ははははー』などとセルフツッコミをしつつ思いました。しかしまさかそれが現実になってしまうとは。客観的には別に何の責任もないとは思うけれど、心情的にウーヴァの皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 

今季のJFLは、アルテ高崎が土壇場で脱退した関係で、本来より1チーム少ない17チームで開催されていますが、来季の地域リーグからの自動昇格枠は『2』。つまりJFL最下位は自動降格になってしまうのです。(但しJ2・JFL間の昇格降格の具合によって変わる可能性はあるらしい)

北関東からJFLの灯を消さないためにも(そしてワタシが気軽にJFLを見に行ける足がかりとしても)、栃木ウーヴァFCの皆さんにはなんとか頑張ってもらいたいものです。

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コメント

のぶみつと入れればいまだに一発で伸泉と返してくる我がPCは優秀です。

2-0は魔のスコアと最初に言ったのは誰なんでしょうなー
>栗原が遅延行為により2枚目のイエローで退場
見てない試合の判定のことまで言うのはどうかと思いますが妥当なジャッジだったんでしょうか、つい審判空気読めwと思ってしまいますね。

投稿: 武蔵浦和レッズ | 2012/07/29 14:17

そうか、負けてるほうが遅延行為だったから変に思われたんですね。

バイタルのあたりでファールを取られた栗原が相手のFKに脚を出して邪魔したんです。なので遅延行為は妥当でした。

投稿: にゃんた2号 | 2012/07/29 15:36

正当なジャッジだったんですね、大変失礼しました。
ウーヴァ今節は逆にアウェイでロスタイムに追いついて勝点ゲットですね。

投稿: 武蔵浦和レッズ | 2012/07/29 17:30

いえいえとんでもない。

今節は90+4分で同点ゴールゲットですか。とりあえず多少救われたみたいで良かった。

投稿: にゃんた2号 | 2012/07/30 08:37

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