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2010/07/16

降臨2

「1年ぶりかの。どうじゃ考えはまとまったか。」
 

その聞き覚えのある声に振り返ると、そこにはサッカーの神様が立っていた。

 
「あ、サッカーの神様。 どうもお久しぶりです。というか、なんですかそのマスクは?」
 

「おお、これか。 実は恥ずかしながらこの春に花粉症にかかってしもうてのう。マスクなしには外にも出られんのじゃ。ぶえくしゅ! しかも先日から南アフリカへしばらく行っておったのじゃが、南半球は冬だというのをすっかり忘れておってずっと薄着で過ごしていたら風邪までひいてしまってのう。げほんげほん!」
 

「え、神様が花粉症や風邪にかかるなんて、僕ら人間からすると訳が分かりませんが。」
 

「うむ、やはりそう思うか。わしら神はなんでも出来る、人間がそう思っても無理はない。」
 

「ということは、そうじゃないんですね?」
 

「おぬし、わしのことをさきほど何と呼んだ?」
 

「は、サッカーの神様、と。」
 

「さよう。わしはサッカーの神様じゃ。よってサッカーに関してはなんでも出来る。すべてのサッカーにかかわることはわしの意思次第じゃ。 しかし逆に、サッカー以外のことは何も出来ん。花粉症や風邪とて防ぐことは出来んのじゃ。」
 

「はあ、そうなんですか。」
 

「この間も、どこから調べてきたのか、あそう、とか、はとやま、とか、かんとかいう男たちが次々尋ねてきて選挙で勝たせてくれと言うから、それは専門外だと言ってお引き取り願った。」
 

もう一度大きなくしゃみをしたあと、神様、いやサッカーの神様は僕のほうを向き直って言った。
 

「で、本題じゃが、どうじゃ考えはまとまったか。」
 

「は?」
 

「おぬしたちサポーターがなにをすべきかじゃよ。」
 

「ああ、あれですか。 あの後なんとか連敗は止まったんですが、その後も決して調子が良くなった訳じゃなくて勝ったり負けたり、最終戦に至っては目の前で優勝を決められたりと、あんまりいいことありませんでした。 結局僕らは文句を言ってるしかないんですかねぇ。」
 

「ふむなるほど。わしもおぬしらの様子をずっと見ておったのじゃが、確かにその気持ちはわからぬ訳ではない。」
 

「でしょ。なんだか意気が上がんないんですよね。タイトルはひとつも取れなかったし。 今年も例によって最初はそこそこ調子いいんですけどだんだん失速気味になってきて、なんだか去年と同じことになりそうです。」
 

「ほう。」
 

「いくら応援しても結果が出ないんじゃやる気なくなっちゃいますよ。」
 

「左様か。では応援するのを止めてはどうじゃ。」
 

「いや、今さら止めらんないですよ。」
 

「どうしてじゃ。誰もそなたに応援してくれなんて頼んではおらんぞ。なのになぜそんな思いまでして応援するのじゃ。」
 

「え・・・それは・・・。」
 

僕は言いよどんでしまった。そう言われてみれば、誰にも頼まれていないのになんで応援をしてるんだろう。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

もやもやにつつまれたままふと気がついたら、僕はベッドの上で大汗をかいていた。
 

また神様、いや、サッカーの神様に答えを聞きそびれてしまった。

今度はいつ会えるのだろうか・・・。

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コメント

サッカーの神様、ギシの後ろから神風を吹かせて、相手のシュートを全部追い払ってくださいませ。

あ、それから、柏木とマシュー君が罹ったらしいウイルス性のお腹風邪にはご注意ください。

投稿: アニヲタの女 | 2010/07/18 17:23

ギシの前から神風ならぬタリーヘッドが・・・。

スピラの完治が必須になっちまいました。

投稿: にゃんた2号 | 2010/07/18 20:31

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