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2021年12月24日 (金)

大門ダム

塩川ダムからまた谷を下りさらに西へ、今度は八ヶ岳連峰東麓の斜面へと移動する。ここまでは県道や広域農道を走り継いできたが、今度は韮崎市と長野県小諸市を結ぶ国道141号(R141)に入って北上する。

近くにはJR小海線が走っていて県境近くには『鉄道最高地点』があるほどの高地で、そこまでは登り勾配一方だ。塩川や荒川のようなわかりやすい谷はなく、斜面上を流れる川が台地上に複雑な凹みを刻んでいる。

R141が谷のどん詰まりを大きな右カーブで回避する少し手前に『大門ダム↑』という小さな標識を見つけ、右方向へ下る狭い道へと入る。普通車のすれ違いも難しい狭路をしばし走ると大門ダム堤体の右岸に出た。

幹線国道たるR141のすぐそばにありながら、R141からはほとんど見えず、堤体へ通じる道やダム湖周辺の道も狭く走りづらい。ひっそりと佇むという表現がふさわしく感じた。

車載動画はこちら。

 
  

大門ダムは堤高65.5m、堤頂長180mの重力式コンクリートダムで、塩川ダムと同様自然越流式の近代的ですっきりしたルックスである。

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ロケーション的には、河川を堰き止めているというよりは前述のような複雑な地形の中で水が溜められそうな窪地の入り口を締め切っているように見える。もちろん河川が存在するからこそ谷が出来、水が溜められるのでそんな訳はないのだが、そう見えるのにはもうひとつ理由がある。ダム湖の右岸側にアスファルトのいわゆる表面遮水層が存在しており、湖岸が自然のままでなく人工物に覆われているから。地質が八ヶ岳の火山灰土で透水性が高く施工しないと水が溜められないためだそうな。

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ダム湖名は清里湖。昭和のころ超メジャーな観光地だった清里の近くにあることからの命名である。竣工が1987年(昭和62年)なので、まだ清里が賑わっていた頃だ。この後清里の駅へ行ってみたのだが駅前の店はほとんどが閉まっていて、明らかに廃業した店舗も数多く見られた。辛うじて営業していた土産物屋さんで聞いたら、今は土日しか空けない店がほとんどなのだそうな。ただ、ネット上ではそんな今の清里が衰退した観光地の象徴みたいに扱われているが、静かな高原の里という本来の姿に戻っただけではないかと私は思う。
 

閑話休題。

ダムカードをいただきに大門ダムの管理所へ行く。もらったのは大門ダムカードの他もう1枚。

広瀬、琴川、深城、荒川、塩川、そしてここ大門の6つの山梨県営ダムカードをコンプリートしたら『総合ダムカード』なるものがもらえると下調べをしてあったので、以前もらった広瀬、琴川、深城のダムカードも持ってきていたのだった。『総合ダムカード』の代わりに既存6ダムカードに針で穴を開けられたのだがこれも下調べの通りだった。穴と言ってもよく見ないとわからないくらいの目立たないものだ。

6箇所の位置関係から想像するに、コンプリートの最終となるダムはここ大門ダムが圧倒的に多いのではないか。なるべく無駄のないルートで回ろうとするとやはり一番端にあるところが最後になりやすいと思うので。実際、大門ダムの管理所には「針で穴開けキット」的な装置が玄関に常備されていたし。

ということで山梨県営ダムはコンプリートと思いきや、実は県営ダムはこれだけではない。南アルプスの麓に西山ダムと小樺(こかんば)ダムという2基があって西山ダムについてはダムカードも発行されている。甲府盆地からはかなり離れており、西山ダムは一本道の県道を35kmも遡らねば辿り着けないかなりの奥地にあるし、小樺ダムに至ってはその更に奥の一般車通行止めの場所にあるのでコンプの対象外としたのであろう。今回これらのダムへは行かないが、いつか日本一人口の少ない町である早川町訪問とセットで訪れてみたいものだ。
 

さて、これで山梨西部のダム巡りは終了なのだが、あともう一基ここからそう遠くないダムに再訪してから帰ることにする。

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