浅川ダム
長い梅雨が明け今度は酷暑が長く続きだしたころ、再び長野へと向かった。
実は前回の信州行から帰って確認したら、ダムカードを配布している長野県営ダムのうちまだ行ってない(よってカードも持っていない)のが残り1箇所なのに気づいたのである。別にだからって慌てて行かなきゃならない理由もないのだが、何か1つだけポツンと残っているのも気持ち悪いので行ってみることにしたのだ。
なお、あくまで長野県営ダムであって、長野県にあるダムにはまだ行ったことないところやダムカードをもらってないところがたくさんあるので念のため。
で、残りの1箇所とは県都長野市にある浅川ダムである。ここは長野市街地の北西側にあるのだが、高速道路は千曲川を挟んだ南東側を通っていてインターも全部市街地の南や東にある。そのためこのダムへ行くには必ず県庁所在地のど真ん中を縦断か横断しなければならず、なんとなく足が向かなかったのである。
上信越道の長野インターから市街地を抜け浅川ダムへの県道(r506)に入って、ダムの手前にあるループ橋を渡る。秩父の滝沢ダムにあるものより少し小さいが線形はより複雑だった。その様子は車載動画にて。
浅川ダムは竣工2016年、最近出来たと言っていいほど新しいダムである。型式は重力式コンクリート、堤高53m、堤頂長165mの中規模ダムでスペックだけだと前回まで見てきた信州の治水ダムと似たようなものだが、一目瞭然の特徴がある。
このダムにはダム湖がないのだ。川の流量維持に使われる常用洪水吐が堤体の一番下、ほぼ河床レベルにあるため、水が貯まらないのであった。目的はF(洪水調整)のみ。いざ増水したら常用洪水吐を締めて水を貯め込むのであろう。なんとなくクリスタルな知事(といってももう知らない人の方が多いだろうな)時代の『脱ダム宣言』で一旦工事が止められたのだが、次の知事が打ち出した『脱・脱ダム宣言』で復活したのだそうな。そのことの是非については個別の事情があると思うので言及しない(というか個人的には基本そういうスタンス)が、この川(浅川)が議論百出するほど治水上ヤバい存在だったのは想像できる。
そういうわけで、運用開始されたダムではめったに見られない提体上流面を下まで拝むことができるのは、愛好家的には見逃せないポイントだ(下画像)。
左岸側に天端からダム下(もちろん下流側)へ下りる歩道が通じていたので歩いてみる。最初は写真が良いアングルで撮れるところまで行って引き返すつもりだったのだが、結局一番下まで下りてしまった。順光のいい写真が取れたので良かったのだが、気温30℃超えの中約50mの高さを階段で戻るのはかなりキツかった。
ダムカードは管理事務所では配布しておらず、市街地にある長野建設事務所かさらに山を登った飯綱高原観光協会へ行く必要がある。どうせなら少しでも涼しいと思われるほうへ、ということで高原でダムカードももらいついでに蕎麦を食った。
これで長野県営ダムはコンプリートしたのでこのまま帰ってもいいのだが、隣県のグンマーのダムへ寄ることにする。次の目的地までは80km超だ。
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コメント
こんにちは。写真でみるかぎり結構な大きさのダムのように見えますが、これでも中規模なんですね。それに、ダム湖のないダムというのも珍しいのでは?僕らが思うダムは、たいていはダム湖があるダムを思い浮かべてしまうので、いまいちピンときませんね。
それと、管理事務所でカードをもらえないというのも、?という感じです。これもよくあることなんですか?
しかし、写真の天ざるはなかなかうまそうですね!
投稿: まんつきどう | 2020年9月 3日 (木) 11時29分
個人的には、堤高40m未満を小規模、堤高100m超を大規模とイメージしているのでその中間ということですが、あくまでワタシの個人的な定義です。
管理事務所でカードを配っていないダムは結構あります。言ってみれば管理所の人の専門の仕事じゃないので、近くの役所とか観光施設とかで配るパターンが多いですね。
天ざるはかなりうまかったっす。
投稿: 弐號@ブログ主 | 2020年9月 3日 (木) 18時20分